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鉄道で道行

特急うずしお6号(徳島-岡山,5006D)

令和5年5月3日 瀬戸大橋線直通岡山駅行きに乗った。

5月2日に徳島駅のみどりの窓口に”5489″を使って予約した指定券を引き換えるために並んでいると”岡山から新幹線で静岡”とか”大分県の中津まで”と岡山駅まで出てそこから新幹線に乗り継いで行かれる方が、(徳島駅発岡山駅行きの「特急うずしお22号」の)特急も新幹線も指定席は満席と言われていた。 コロナの5類移行はこの連休明けだが、旅行者はかなり増えているようで5月3日の徳島駅2番線には「特急うずしお6号」の自由席車にかなりの行列が出来ていた。

その徳島駅(とくしま)2番線は1番線が阿波池田駅方面寄りの切り欠きホームになっているため改札口の正面が2番線となり、その向こうに島式ホームの3,4番線がある。 その2番線に高松駅から「特急うずしお3号」が8時15分に到着する、すぐに折り返しのため車内準備が行われて8時23分発「特急うずしお6号」岡山行きとなるが、折り返すまでの時間はたったの8分でこれは東北新幹線などの東京駅折り返しよりも短い、車両も短いが。 車両は2700系気動車で、地域都市間輸送しか出来ない四国において曲線区間をより早く走らせるために車両傾斜装置付きである。 繁忙期だが通常通り6,7,8号車の3両で増結はない。 岡山駅行きの「特急うずしお」だけは「特急南風」と併結されるので号車番号が6号車からになっていて高松駅行きの場合は徳島駅寄りから1号車となる、今日の「特急うずしお6号」の編成は徳島駅←[<2755][<2756][2715>]→岡山駅となっている、2700系は片運転台付だけしかなく中間車は存在しないため3両編成の中間車も運転台付となる。 2700番台は運転台が高松駅向きで、2750番台は徳島駅向きの車両であり、半分グリーン車の2800番台は特急うずしおでは使われていない。 所属は高松運転所、四カマ(JR四こく・たカマつ)。 2700番台は定員46人で2750番台は定員が52人なので、自由席を利用する場合は徳島駅寄りの車両(「特急うずしお6号」ならば7号車)の方が席が多いが2両編成の場合は半分が指定席になるので自由席は少なくなる、JR四国のホームページに2700系で運転される特急の一覧と特急列車の編成表が出ているので参考になる。  

「特急うずしお」の高松駅行きは車両の半分が指定席だが岡山駅行きの6号車は全席指定で、中間車にも徳島駅側に運転台が付いているので2両編成での運行時と3両編成での運行時に指定席の座席番号が同じになる、「特急うずしお」の場合はD席が瀬戸内海が見える側なので、今日はD席を確保してある。 7号車と8号車の自由席は徳島駅出発の時点でほぼ満席になり、定刻の8時23分に発車した。 指定席はまだ2割ほどの空席があったが、徳島駅出発後の最初のアナウンスで「指定席は満席で、自由席からの振替は出来ない」と案内があり確かに途中の勝瑞駅などから乗ってこられて指定席も満席となった。 もちろん、連休中であるため帰省客や旅行者が多く、さらに鞄やスーツケースを持っていることから自由席の混雑はかなりのもので、今回は7、8号車の探索は諦めた。 荷物棚(網棚)が、飛行機の機内持ち込み手荷物くらいの大きさの物を載せられるように大型化されているので、リュックサックなどは立てて置けるくらいだ。 満席なので隣の座席に置けないから荷物を網棚に上げた時に気付いたが、2600系では動かせた枕が固定となっていた、また足置きが2600系には有ったような気がするが2700系にはない。 徳島駅など大きな駅でも使えるJR四国Wi-Fiがこの2700系では車内Wi-Fiとして接続できるようになっているが、乗車してすぐなので使用開始の際の接続ポータルサイトが表示されにくいがその時は http://で始まる(httpsのsのつかない)サイトを表示させると良い。 前の座席で出来ない事を嘆いている方に教えてあげたいが突然後ろから教えるのも変なので無事つながることを祈ることにした。 NTTBPなどに接続テスト用サイトがあるので、ブラウザにそのURLを保存しておくと旅先で便利である。 AC100V(60Hz)のコンセントが窓側と通路側のひじ掛けの先端下部についているが充電やPCの利用を想定しているのだろう容量の表示は座席テーブルの案内に記載は無かった、その案内にはJR四国の運行状況がわかるホームページのQRコードもあったが、これは30分程度遅れた場合の案内らしく数分の遅れでは出ないがJR四国内であれば数分は接続待ちをするということかもしれない(実際、数分遅れで置いて行かれたことは無くいつも待っていてくれた)

徳島駅は地上駅なので発車後すぐに大きな踏切がある、徳島運転所から出てくる車両もこの踏切を通るのでこの踏切の先に両渡り線があって高徳線と徳島線が徳島駅のどのホームにも入れるようになっている。 もう1つ踏切を過ぎると少しづつ登って高架線になっていくが、ここは次の佐古駅まで単線並列という全国でも珍しい配線となっている、徳島駅から阿波池田駅へ向かう徳島線が南西側(左側)で北東側(右側)を高松駅へ向かう高徳線が走る。 複線であれば左側通行なので、すれ違う場合はお互いの右側を対向列車が通過するが、この区間では徳島線と高徳線が専用線であるかのように上り・下りとも同じ線路をつかう単線なので対向列車が左側を通過するすれ違いが体験できる貴重な場所である。 徳島駅を出て佐古駅の手前で右側の高徳線から徳島線側の佐古駅1番線に入る片渡り線があり、佐古駅の先に両渡り線があって、高徳線の徳島駅行きが1番線に、徳島線の徳島駅行きが高徳線の2番線に入れるようになっていて高徳線がこの駅で待避することや、どちらかの線路に支障があった時にもう一方の線路を使って運転できる、よく考えられた線路配置である。

高架線のまま進むと小さい川を渡り、いよいよ吉野川を渡る、とにかく大きな川でトラス鉄橋がいつまでも続く。 住宅や工場が少なくなり大きな高校が右手に過ぎて勝瑞駅(しょうずい)に8時30分着、相対式で2番線が1線スルーのようだが駅舎のある1番線に到着した、この駅からかなりの乗車があった。 池谷駅を通過する「特急うずしお」に鳴門線から高徳線の高松方面に乗り継ぐ場合池谷駅と勝瑞駅間の運賃は、特例で途中下車をしなければ不要となり池谷駅で乗り換えた扱いになるが、特急料金は勝瑞駅から高松駅や途中の下車駅まで必要となる。 区間外乗車と呼ばれる規則だが、同じことが佐古駅と徳島駅間や佃駅と阿波池田駅でも適用されるが、池谷駅に停車する「特急うずしお」には適用出来ないので注意が必要だ。 元の吉野川を渡ると工場や住宅地が遠くに離れれて蓮根畑の中を進み池谷駅(いけのたに)に8時33分島式ホームがV字型に高徳線と鳴門線がそれぞれ分かれていて面白い配置の跨線橋で結ばれている無人駅の2番線に到着した。

左にカーブしている池谷駅高徳線ホームから、そのまま90度曲がり西を向くとそれら蓮根畑もなくなり、住宅が点在するようになって四国八十八カ所霊場の一番札所が近い板東駅を通過する、ここから軽快なエンジン音を響かせ一気に加速する、GPSの速度計アプリを見ると95Km/hだった。 さらに普通列車の多くが折り返す板野駅(いたの)2番線に8時39分到着、ここは島式ホームが2つだったものが1線廃止になり島式で1,2番線と単式の3番線となっていて駅舎へは跨線橋で渡るようだ、1番線に高松駅発徳島駅行きの普通列車が先着していたがかなり空いていた。 ここを出ると北へ進路を変えいよいよ登りにさしかかるが2700系はエンジン出力に余裕があり、カーブでは振り子が効いて減速しなくても良いので緩い勾配を381系電車のような揺れ戻りもなく座っているのでとても快適な乗り心地で大坂越を登る、車体傾斜装置付きの気動車を走らせる為には線路もきちんと整備をしておかねばならず、とにかく重い気動車が安全に走れるように保線という陰ながらの努力の積み重ねがあってこそだろう、そしてトンネルとトンネルの間から瀬戸内海が見え隠れしてすぐまた登りになるがそこれが大坂峠で徳島県と香川県の県境になる。 峠を鉄道は迂回し道路は登るのがほとんどだが、この大坂越は鉄道は登って国道は大きく迂回する珍しい区間だったが、高速道路は最短距離を直線的に抜けるようになった。  

香川県に入り、時々海が見えるようになって讃岐相生駅や引田駅を通過する。 海はさほど遠くないが建物が連なりほとんど見えない。 8時53分讃岐白鳥駅(さぬきしろとり)の1線スルーになっている駅舎側1番線に到着、ここは無人駅のようだが相対式2番線に駅舎は無いが外への出口があった。 続いて、8時57分三本松駅(さんぼんまつ)ここも駅舎前の1番線に到着したが、2番線に「特急うずしお5号」が先着してこちらを待っていた、2両編成のためか満席で立ち席も目立った。 この駅で高松駅へ折り返す普通列車も多く、また全ての「特急うずしお」が停車し、保線車両の留置線まである大きな駅だが東かがわ市の代表駅はここではなく1つ前の讃岐白鳥駅だ、市役所への距離の都合だろうか。 8時58分定刻に三本松駅発車。 ここからは100Km/h越えで快走するが丹生駅を過ぎてしばらくするとこの辺りでも瀬戸内海が時々見える。 9時10分に普通列車が待避しているオレンジタウン駅を通過して、9時12分志度駅(しど)到着。 橋上駅になっていて、1番線が単式で到着した2番線と対になる3番線が島式になっている大きな駅で、ここも全ての列車が停車するし改札口もある、琴電志度駅とは隣接していないが近い。 再び「指定席は満席で、自由席からの振替は出来ない」とのアナウンスがある、自由席の混みようはかなりのようだ。  屋島駅(やしま)の島式ホームの2番線に定刻9時19分着、やがて反対側の単式1番線に2600系の「特急うずしお7号」が到着し出て行ったが先ほどとは違いかなり空席があった、2編成しかない2600系は貴重なのだが。 ここまでくると高松の市街地となりその中を軽快に走って栗林駅(りつりん)に9時24分着。 昔は、高徳線が地上を走りそれを琴電が高架で越えていたのを後から高徳線が高架化されたことによりこれだけの高さになったのだろうかなり眺めの良い駅になったら、琴電は元のままだ。 その琴電には駅が近くにないので乗り換えは出来ないが下車客はいらした、高松市中心部へはここから遠くない。 1線スルーの1番線に停車中の三本松駅行き普通列車は座席の半分位だろうか、かなり空席が目立ったので先着したこの普通列車からもかなりの下車客があったのかもしれない。 9時25分、栗林駅を発車した。 栗林駅よりも、更に栗林公園に近い名前もずばり栗林公園北口駅を通過して、大きく横になったUの字を描くようにカーブして、高松駅へ向かう。 岡山駅行きなので高松駅から向きが変わるが再び宇多津駅で向きが変わるので座席はそのままでとのアナウンスがあり、高松駅(たかまつ)到着が近いことがわかる。

やがて予讃線と並走するようになり、高松駅のすぐ手前に渡り線があって予讃線側へ入れるが高徳線はそれを利用せず1,2,3番線の架線が張られていない専用ホームに発着する。 2番線は1番線の先端部にある切り欠きホームなので1番線と向かい合う3番線に定刻の9時31分に到着。 宇高連絡船があったころは、もっと海よりに駅があったが連絡船が廃止になり線路を伸ばしておく必要がなくなって、元の高松駅跡にはJRのホテルが建っている、頭端式のつまり行き止まり式の駅なので跨線橋がなくコンコースから改札口そしてホームまで徳島駅と同じバリアフリー駅とも言えるが、頭端式の高松駅は改札口に近い車両だけが混むという事になるだろう。 ここで三分の一くらいが下車して、空席が目立つようになって9時33分高松駅を後ろ向きに発車した、すぐに予讃線側へ渡ってさきほど走った高徳線の線路と並走し、左に高徳線が離れていくと今度は反対の右側に高松運転所が見えてくる。 上下線に挟まれて広い操車場を過ぎると左に大きくカーブして海から離れると香西駅を通過、この駅を過ぎて右手に高松貨物ターミナルが、予讃線と少し離れてあるが貨物列車は次の鬼無駅から入っていくようになっているので貨物列車を眺めるには鬼無駅の方が良い。 9時44分に端岡駅を通過する、この駅には0番線がある。 私鉄に線路の両側にホームを設置して車両の両側のドアを開けることで車内を通り抜けて隣りのホームへ行ける駅があるが、ここもその造りになっていて単式0番線と島式1番線は線路を共用していて島式なので2番線に到着した列車から駅舎前の0番線まで1番線(0番線)に停まっている列車を通り抜けて改札へ行けるし、逆に改札を入り0番線に停まっている列車を通り抜けて2番線に停車中の列車に乗れるようになっている。 また、その島式ホーム1,2番線より高松駅寄りに島式の3,4番線下り列車用ホームがある。 これは元あった待避線を利用してホームを増設したらしく そのため、ホームが平行してなくて、直線的にずれている珍しい構造になっているが、「特急うずしお」は一瞬で通過してしまうのでよく見えなかった。

坂出駅を通過すると大きな分岐に差し掛かる、予讃線から瀬戸大橋へ向かう短絡線が右に分かれていく。 この分岐は宇多津駅(うたづ)構内の扱いなので、運賃計算は宇多津駅経由でされるが実際に運賃計算通り宇多津駅ホームまで行って本四備讃線で岡山駅方面へ向かうのは「特急うずしお」だけである。 分岐を過ぎると今度は瀬戸大橋から来た本四備讃線の線路が右側から近づいてきて宇多津駅に到着する際に渡り線を2つ渡って3番線に定刻9時50分に到着。 こちらの到着を待っていたかのように4番線から琴平まで延長運転された「寝台特急サンライズ瀬戸」が回送電車として高松運転所へ戻って行った。 時刻表では、高知からの「特急南風6号」は宇多津駅に9時55分に到着し、「特急うずしお6号」の後ろに併結されるのだが遅れて9時59分に到着して併結された。 4番線から高松駅行き普通列車が10時ちょうどに発車していき、更に2番線には岡山駅からの特急しおかぜ5号8600系電車が到着した、繁忙期なので高松駅発の特急いしづち5号は運休となってその分の3両も岡山駅発となり合計8両編成だったが、車内はもちろんデッキまで満員だった。

10時2分に宇多津駅を発車した、車内アナウンスによると4分30秒遅れらしい。 再び、座席は進行方向向きとなり、ここからは本四備讃線だ。 高架駅である宇多津駅からさらに登り坂出駅からの短絡線が合流していよいよ瀬戸大橋にさしかかる。 新幹線と在来線をそれぞれ複線で通れるようにこの橋は造られているが、在来線だけとなったので新幹線用だった西側に児島駅行き線路が通っている。 10分ほどで渡りきり鷲羽山トンネルに入る。 10時14分島式2面4線の児島駅(こじま)2番線に10時15分着、この駅からJR西日本となるので乗務員が交代するために数分停車する必要があり、遅れは解消されず10時17分に発車した。 かつては快速マリンライナーではなく普通列車が宇多津駅方面へ走っていたが今は、廃止されているので岡山からきた普通列車はここ児島駅で折り返すので下り四国方面行きでの列車待避は無い。 宇野線の茶屋町駅までは複線の新線区間を快適に走り10時24分茶屋町駅を通過したが遅れは取り戻せていないだろう。 ここから宇野線となり単線となる、追い抜きと列車交換が無ければ単線でも同じだが、妹尾駅にアンパンマンと列車交換する為10時28分運転停車し、さらに岡山駅到着前のアナウンスが流れる中で備中西市駅に10時34分運転停車してマリンライナーを待った。 

岡山駅(おかやま)8番線に6分遅れで到着。 指定席車には空席があったが、自由席車は満員だったようで降りるまで少し時間を要するだろう、そして連休なので階段やエスカレーターも大変な混み方だった。 岡山駅で在来線へ乗り換えるなら、地下コンコースか姫路駅寄りの跨線橋の方が空いているはずで、この日も中央改札前では立ち止まりどちらへ行けば良いのか表示を確かめる人たちであふれていた。 在来線ホームからここへ上がってきて左へ進めばすぐ新幹線の改札口になるので標準乗り換え時間は8分となっているが、連休中は人が多くて岡山駅に慣れていなければ無理だ。 繁忙期の乗り換えに時間の余裕は大事と改めて感じた特急うずしおの旅だった。