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鉄道で道行

牟岐線(阿波海南-徳島,4552D)

2023年5月4日のみどりの日、座りきれないほどのお客さんと共に徳島駅発の4533Dで阿波海南駅に着いた。

この阿波海南駅(あわかいなん)の単式ホームから牟岐線普通列車4552Dとして折り返すのは1200系気動車[1256]両運転台付で徳島運転所の所属。 トイレが付いていて、その前のところは一人掛けのクロスシートで徳島駅行きでは最前席となり、展望特等席だ。 列車番号が4552Dと4000番台の列車はワンマン運転だ、車掌はもちろ客室乗務員も乗らない。 ワンマン運転の列車で、乗車時に乗車券を運転士に渡すなど間違った情報があったり、バスと同じとだけ書いてあるのをみて都心部のような均一料金のバスに乗る時と同じと勘違いされる方も多い。 JR四国の公式ホームページでワンマン運転の列車への乗り方を探してみたが見つからなかった、無人駅から乗る場合、JR四国の無人駅には券売機やJR東日本のように乗車駅証明書発券機が無いので、列車が着いたら車両の後ろよりのドアから乗車し乗ったらそこにある整理券発券機で整理券を取る、乗車券や定期券を持っているとしてもどこの駅から乗ったという証明のため整理券は取った方が良いと思える、JR四国がワンマン運転について乗降方法を公式に案内していないために取るべきかどうかの判断材料がないので、乗車口ドアが開くと整理券を取るよう車内放送が流れるので、乗車券や定期券を持っていても取っておいた方が良いと思う。 そして無人駅で降りる時は有効な乗車券があれば運転士に渡し、定期券があれば運転士に見せて、それ以外であれば運賃表示器から乗った駅からの料金を確認して現金を運賃箱に入れる。 その際、一部のバスのように整理券と多めの料金をいれたら自動でおつりが出てくることはないので両替してから現金を入れないと、おつり分をJR四国に寄付することになる。 徳島駅など旅客駅(無人駅や委託駅でない駅)にはJR四国の駅員が居るので、これらの駅では運転士あるいは乗っていた場合に車掌が乗車券の受取や現金のやり取りはせず、改札口で乗車券を渡すか定期券を見せて通るか、精算所で現金で精算して改札口を通ることになる。 乗車券を持っていなければ、ワンマン運転なら下車する駅に着いたら払う、車掌が乗っていれば乗車したら車掌から乗車券を買うだけのことで難しいことはなく、乗車できるドアはどれかの判断と半自動ドアだった場合ボタンを押さないと開かないことに気を付けていれば牟岐線に乗れる。 

出発信号が青に変わり、12名の乗客を乗せた4552Dは12時8分定刻に阿波海南駅を発車した。 半島部をトンネルで抜けて順調に走り、12時10分浅川駅(あさかわ)に到着、右側に単式ホームがあるだけで山の中に感じるが実際には木々に囲まれて森の中にあるだけですぐそこに集落があり海も近いようだ、1人乗車されて12時12分発車。 トンネルの中で運転席の速度計が80キロを指している、いくつもトンネルをくぐり抜け森の中をしばらく走ると入江が時々見えて単式ホームの鯖瀬駅(さばせ)に12時15分到着、ここも右側にホームがあるのだがそのホームの先に太平洋が見えた、ここでも1人乗車された。 徳島県の太平洋岸はリアス式の断層海岸が続くが、この辺りには大きな入江があり港があって集落があるので駅はおのずと海の近くに出来ている。 再びトンネルで半島を抜けると海が見えた、今日は天気が良くて海がとても綺麗だ。 と海を眺められるのも一瞬で、また森の中を走りトンネルになるが 下って住宅地に出た時、阿波海南駅を出てから最初の踏切を通過した。 ATSが鳴動し、やがて12時20分、牟岐駅(むぎ)に到着、島式ホームの2番線で駅員の居る駅舎へは構内踏切で行くようになっていて、側線が3本もあり牟岐線で最南端の列車交換が出来る駅で、ここから阿波海南駅までが1つの閉塞区間となっている。 ここで初めて1人下車されて3人が乗車されて12時23分定刻に発車した。

街をすぎると、国道と川にそって走り田んぼの広がるところへ出た。 そのまましばらく里山と田んぼの境目を走ると、田んぼの中で制限60キロの左急カーブの途中にある辺川駅(へがわ)に12時26分到着。 再び森の中へ入ったかと思えるが木々が途切れた所から、人家や田んぼそして国道が見えるので、里山の端を走っていることが判る。 谷間が開けたところで12時33分山河内駅(やまがわち)に到着、ここも単式だが左側にホームがある、昔はもう1本線路があったと思わせる広さがあるが、乗降客は少ないので縮小されたか、この列車へでの乗降客は居なかった。 発車すると大小のカーブで車体を左右に揺らしながら、速度を上げて時速80キロで快調に走り、下り始めると家並みが続くようになりATSが鳴動して、日和佐駅(ひわさ)に12時40分着、2分遅れ。 相対式で、海側の1番線に駅舎があってホーム途中にある構内踏切で2番線に渡ってこれる、到着した2番線は元は島式で3番線があったのだろう、JR四国の時刻表によると3番線からの発着は無い。 20数人が乗って来られて、8人が降りられた。 混みあって来た4552Dは12時42分に出発信号の進行現示を確認して発車した。 

左に徳島県最後の霊場、薬王寺が見えて、さらに川沿いの開けた所を走って、北河内駅(きたがわち)に12時44分着、ここも単式ホームがあるだけで、乗降なしだった。 ここを出ると、山間に入っていく、トンネルがいくつもあってかなり登ってから下り始めて、左に大きくカーブしてまたトンネルをくぐると、右にカーブして単式ホームの木岐駅(きき)に12時49分到着、お一人下車されていった。 ここでも、またトンネルで半島を横切り海沿いに出ると、海に近い臨時駅田井ノ浜駅(たいのはま)を12時51分通過、海が近いというより砂浜に駅を造ったようだが、夏の短い間だけ営業する臨時駅にしておくのはもったいない風光明媚な所だ。 トンネルの中でATSが鳴動して、トンネルを出たらすぐ由岐駅(ゆき)に到着、Y字に分岐して相対式ホーム左側に12時52分到着、駅舎のある反対側ホームには普通列車が先着していて、初めての列車交換となる。 乗降客はそれぞれ1人づつだった。

由岐駅を出ると、すぐに登りになりトンネルに入る。 ここを時速90キロとかなりの速度をだして登りきると、いっきに下り人家が見えてくると阿波福井駅(あわふくい)に到着、単式になっているが元は島式ホームだったものを駅舎側ホームの線路を撤去して構内踏切を設置しないようにしたものと思われる、側線だった側を残しているので、駅への進入時に分岐だったところで大きく曲がってからホームへ入るようになっている駅に12時59分着、2人が列車を待っておられた。 半島を横切っているので近くいわけではないが、この阿波福井駅のはるか東、半島の突端に蒲生田岬があり、ここと和歌山県の潮岬を結んだ線が日本の法律では瀬戸内海と太平洋の境界となっている、つまりこのあたりから瀬戸内海沿岸ということだが海ははるか遠くだ。 平地に出て左右が開けてくる、線路は田んぼの真ん中を通っているが、離れた所に人家は続いていて、その人家が集まってきたところで新野駅(あらたの)に13時3分に着いた、ここも単式ホームで二人降りて行かれたが、8人乗って来られた。 平地から外れてトンネルに入り山を一つ越えると、また開けてきてしばらく走ると黄色を点灯させた信号機があった、列車交換できる桑野駅はもうすぐだ。 Y字分岐を左に入り、桑野駅(くわの)駅舎側1番線に13時8分到着。 折り返し列車もある駅で3人乗られて2人降りられた。 

平野部を時速90キロで快適に走り、13時13分阿波橘駅(あわたちばな)の単式ホームに着いた、1人降りて4人乗車。 ここも、島式を片側廃止にしたようで、駅舎側の線路を撤去しているので、駅構内に入る際大きく逆にカーブすることになっているが、構内踏切を廃止出来て安全か。 家と田んぼが交互に続く中を走って単式で駅舎の無い見能林駅(みのばやし)に13時17分に着いたら、大勢の高校生が列車を待っていた、17人乗ってきて、3人降りられた。 市街地が続き大きな建物が見えてきてATSが鳴動して阿南駅(あなん)に到着したのは13時21分だった。 この阿南駅は橋上駅で相対式ホームになっていて1番線に着いた、全てのドアが開いたようで乗降者数を数えられなかったが、ホーム進入時に待っておられた方は4人だけだった。 数分停車している間に乗って来られた方がかなりいただろう。

牟岐線は、パターンダイヤ化されているようで阿南駅から徳島駅へ向けては日中26分と56分で30分毎に発車するようになっている、毎時何分に出ると判っていれば利用しやすくて便利だ。 4552Dは阿南駅の停車時間で遅れを調整して13時26分定刻に発車した。 駅を出て、しばらく走ると川を渡りきると田園地帯になった。 さらに、大きな那賀川を渡ると左にカーブして13時29分阿波中島(あわなかしま)左側に単式ホームがあって、お一人列車を待ておられた、続く西原駅(にしばら)には13時32分着で、ここでもお一人乗車された、右側に単式ホームだった。 田園地帯で家が点在している中を走ると信号機がありATSが鳴動して、列車交換が出来る島式ホームの羽ノ浦駅(はのうら)2番線に13時36分到着、対向列車が先着していた。 4人下車され、4人乗ってこられた。 区画の整った住宅地や団地を過ぎると、田んぼの中にでて、左側だけに家が集まってくるとY字に分岐して列車交換が出来る立江駅(たつえ)に13時39分到着し2人下車された、Y字分岐はスプリングポイントのようだ。 川を渡ったところで崖下にある阿波赤石駅(あわあかいし)に13時42分到着し4人を乗せた。

再び川を渡り運河のような河川と並行する、少しづつ細くなるので農業用水路か、右側には家がつづくが左側は田んぼが広がるが、小さな川を渡ると両側に家が建ち並ぶと列車は速度を落として南小松島駅(みなみこまつしま)に13時46分着。 島式ホームの2番線で3人乗って4人降りられていった。 この駅では列車交換だけではなく、徳島駅行きの特急を普通列車が待つことがあるようで、朝に1本だけ徳島駅行きの1番線発着がある、その1番線に発車時刻の13時49分を過ぎても対向列車が来ないので発車できないで待っている。 この駅で降りて、川を渡った先に旧小松島駅があってそこにC12が保存されている、途中には蒲鉾店がいくつかあって海辺を感じさせる街並みが続く、廃止になるまでは市の代表駅は小松島駅だった。 手前の羽ノ浦駅とここ南小松島駅は旅客駅扱いだが土日や祝日に駅員は不在となる

対向列車、阿波海南駅行きがよっやく到着して13時51分に南小松島駅を発車した。 少し田畑があるが住宅の続くなかを走ると中田駅(ちゅうでん)に2分遅れて13時53分到着、3人降りられて6人乗って来られたが、なんとそのうちの1人は車掌で運転席脇に陣取られた。 島式ホームで行き違いが出来るが駅舎側に側線が残っていた、この側線のあたりから小松島線が出ていたのだろうか、それにしては廃止されてからかなり経つ。 発車後「二分遅」を運転士のあと「二分遅」と車掌が繰り返していた。 田んぼに集落が点在するなかを走り、左側に小高い丘をすぎて13時58分に地蔵橋駅(じぞうばし)にY字分岐の片側を廃止したような曲がり方で単式ホームに入って橈尺し、3人が乗車された。 

地蔵橋駅は徳島市にあるので、このあたりはベッドタウンなのだろう住宅地が続き、川を渡ると文化の森駅(ぶんかのもり)に14時2分到着。 堤防の高さのままで単式の高架駅になっているが片面は田んぼで広々としていて森は見えないし、ホームのある側は住宅地で遠くに山が見えるだけだ。 乗降客は無く、2分半遅れのまま発車した。 工場や大型店舗、そして住宅が続く中を走るとATS鳴動して島式ホームの二軒屋駅(にけんや)に2分遅れの14時4分に着いた、島式ホームで側線が1本ある。 ここで対向列車を待つが徳島駅発14時ちょうどの列車だろうか、牟岐線の徳島駅発は日中0分と30分に統一されているので発車時刻は覚えやすい。 14時7分、対向列車の到着を待って発車したが、乗降客は数分停車してもいなかった。 住宅の間を抜けるように進み阿波富田駅(あわとみだ)の単式ホームに14時9分に着いた、ホームのある線路右側(海側)の方に徳島絵県庁があるらしいこの駅では3人が降りられた。 左にカーブすると右側に側線が何本も分かれていき徳島運転所に停留中の気動車が見え始めると、徳島駅構内だ。 場内信号の3が黄色を現示していて、そのまま徳島駅3番線に14時14分に着いた、駅改札口があるので徳島駅では車掌が料金精算や乗車券と定期券の確認は行わないので、改札口脇の精算所には長い列が出来たが、フリー乗車券を持っているので改札口へ直接向かった。